数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。noteにも書いています。https://note.mu/kumag_min

Flux Vector Splitting(FVS、流束ベクトル分離)とAUSMの解説リンク集と本

はじめに

Euler方程式などの圧縮性方程式に対する数値計算手法である、Flux Vector Splitting(FVS、流束ベクトル分離)とAUSM法の解説リンク集です。後ろに本も載せてあります。

リンク集

  • 富阪幸治氏のページ。FVS、FDS、AUSMに関する解説。他にも充実。

http://th.nao.ac.jp/MEMBER/tomisaka/Lecture_Notes/Fluid_dynamics/Numerical_Hydro_Dynamics/node37.html#SECTION00450000000000000000

http://th.nao.ac.jp/MEMBER/tomisaka/Lecture_Notes/Fluid_dynamics/Numerical_Hydro_Dynamics/node40.html#SECTION00462000000000000000

  • 嶋英志『簡単な圧縮性 CFD スキームの話』。スキームが歴史順で紹介されておりわかりやすい。圧縮性CFDの入門とのこと。FDS、FVS(Steger-Warming、Van Leer、Hänelなど)、AUSM、SLAU。

https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=34-2tokubetu2.pdf&dir=82

「全ての実在流体は圧縮性を有するので,圧縮性Navier-Stokes 方程式は,原理的には,全マッハ数で
の流体の基礎方程式である.しかし,低マッハ数では,移流速度と音速の大きな比が様々な問題をもたらすことや,そのような流れ場では,圧力を決める状態方程式が重要でないとして,近似的に非圧縮性流れとして取り扱われる事が多い.」

「低マッハ数ではマッハ数の二乗に比例して,密度や圧力の変動量が小さくなり,丸め誤差の問題が発生するが,経験上,M=0.01 程度までは,倍精度変数と通常の保存変数の利用で十分である.」

「再構築に用いる物理量には,様々な組み合わせが可能だが,(密度,圧力,速度)あるいは(温度,圧力,速度)が用いられることが多い.」

「充分な時間精度には,Δt を,捉える物理現象の代表時間より十分小さくすることが最重要であり,それが満たされていれば,陽解法でも陰解法でも時間次数に応じた精度で,非定常現象を捉える事が出来る事である.」

「非定常解析に陽解法が必須ということも無い」

「高マッハ数流れの初期などで,計算の破綻を招きやすい圧力の変化量を抑える様に Δt を決定することが堅牢性のために重要である.」

「結果として,空間のステンシルは,Poisson 方程式と同じものになる.大規模な線型方程式の求解が必要という観点では,非圧縮性 CFD における圧力方程式と類似している.ただし,圧縮性の場合には,変数の数を反映して,5x5(3 次元一流体の場合)のブロック疎行列になってしまうので,シンプルな GS(Gauss-Seidel)反復を使うとしても,そのままでは,5x5 行列の乗算や,逆行列計算が必要になる.」

「Steger & Warming の FVS は,特性速度が 0 の点で微分不可能となるために衝撃波付近でグリッチを生じる.」

Roe 法など FDS(Flux Difference Splitting)の接触不連続を精度良く扱える性質が粘性計算にも有効である事が分かり,徐々に低いマッハ数の粘性流れにも利用される様になってきた.しかし,Roe 法は,膨張波での堅牢性に問題があり,計算開始の方法に工夫が必要などの実用上の課題が残っていた.一方,FVS は,極めて堅牢であるが,接触不連続で発生する数値的散逸・分子拡散による精度劣化のため粘性計算には使い難く,FDS と FVSを場合によって使い分けていたのが,AUSM 族スキーム登場までの 90 年代初めの状況である.」

「FVS は非常に堅牢という長所を有するが,接触不連続やすべり面において数値的拡散や数値的接線応力を誤差として持つ欠点がある.これに起因して,速度や温度の境界層を正しく捉える事が出来ない.これは,FVS の定義式において,法線方向速度が 0かつ圧力が等しいと仮定しても,左右で密度や境界に平行な速度成分が異なる場合には,本来 0 になるべき質量流束や運動量流束が 0 にはならない事から生じる.」

  • 山本悟氏の資料。FVS、FDS

http://www.caero.mech.tohoku.ac.jp/publicData/pdfFiles/2012seminar.pdf


  • 藤井孝藏『CFDの最近の進歩と将来展望(1) ― 圧縮性流れの数値計算法』。古いですが興味深い。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/23/3/23_3_128/_pdf

FDSの 副次的な特徴 として、物体近 くの境界層内において風上差分によって生ずる陰的な数値粘性項が自動的に小さくなる。従って、ナヴィエ ・ストークス方程式に利用する場合に、精度のよい計算が可能である。一方、FVSは数値粘性項の形から、物体近くの境界層内において数値粘性が残るため、境界層のプロファイルが正しく出ないことが指摘されている。 しかしながら、 この事実が逆に計算の安定性を増加させることとなる。FDS系統の計算方法が極超音速流れにおいて密度が低くなりすぎて計算が発散するという問題をかかえているのに対して、FVSは比較的robustであるといわれている。」


  • 中村佳朗『有限体積法による圧縮性流れの数値計算法』。FDS、FVS、AUSM。

https://www3.chubu.ac.jp/documents/faculty/nakamura_yoshiaki/content/626/626_b5d7376618ddbc5947de160db7ef2008.pdf

http://www.caero.mech.tohoku.ac.jp/publicData/Daiguji/Chapter16.pdf


  • 『有限体積法による圧縮性流体の数値計算』。FDS、FVS、AUSM。

  • 『【流体力学】【C++】圧縮性CFDの基礎』。FDS、FVS。FVSは実装が間違っているような気がします。


  • 『工学系大学院生のブログ 第5-2回 Riemann問題(FVS)[python]』。FVS。

https://teru-hide.com/cfd-riemann-fvs/

  • FDS、FVS (Van Leer)、AUSM。

  • 三好隆博、草野完也『高速プラズマ流を伴う計算機シミュレーションの基礎』。FVS、KFVS、FDS

http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2007_03/jspf2007_03-228.pdf

  • Praveen. C "Flux vector splitting scheme". FVS (Steger-Warming, Van Leer), AUSM.

http://math.tifrbng.res.in/~praveen/notes/acfd2013/fvs.pdf

  • 肖鋒、長崎孝夫『数値流体解析の基礎』

pp.126-164。FVS。とても丁寧な解説。オイラー方程式に対する1次元、2次元のコードあり。

pp.127-130。FVS (Steger-Warming、Van Leer)。FDSとFVSの違いが解説されており非常に有用。

流体力学の数値計算法

流体力学の数値計算法

第6章。2020年10月20日出版。

Pythonで学ぶ流体力学の数値計算法

Pythonで学ぶ流体力学の数値計算法

  • 宮司久明、吉沢徴、三宅裕『乱流の数値流体力学―モデルと計算法』

pp.128-135。FVS(Steger-Warming、Van Leer)、AUSM。Van Leerの多項式の決め方が載っており有用。

乱流の数値流体力学―モデルと計算法

乱流の数値流体力学―モデルと計算法

  • 発売日: 1998/01/01
  • メディア: 単行本

  • M. Elena Vázquez-Cendón "Solving Hyperbolic Equations with Finite Volume Methods"

pp.119-123. homogeneity propertyが成り立たない場合のFVSが載っている。例としてBurgers方程式と浅水流方程式。Steger-WarmingとVijayasundaramが区別されており有用。

  • Toro, Eleuterio F. "Riemann Solvers and Numerical Methods for Fluid Dynamics: A Practical Introduction"

FVS(Steger-Warming、Van Leer)、AUSM。オイラー方程式。数値実験例が豊富。聖書です。

  • Toro, Eleuterio F. "Shock-Capturing Methods for Free-Surface Shallow Flows"

pp.162-163。FVS。浅水流方程式への適用について。Vázquez-Cendónに言及。

  • W.Y. Tan "Shallow Water Hydrodynamics"

pp.335-355。FVS。浅水流方程式への適用について。疑似的なエネルギー方程式を追加する方法や、Vázquez-Cendónの方法。非常に詳しい本だが、何故か読みにくい。

  • Blazek, Jiri "Computational Fluid Dynamics: Principles and Applications"

pp.95-103。FVS(Van Leer)、AUSM、CUSP。

Computational Fluid Dynamics: Principles and Applications

Computational Fluid Dynamics: Principles and Applications

  • 作者:Blazek, Jiri
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: ハードカバー

  • Kulikovskii, A.G.,Pogorelov, N.V.,Semenov, A. Yu. "Mathematical Aspects of Numerical Solution of Hyperbolic Systems"

p.119。FVS(Van Leer)、AUSM。文章のみ。

  • 河村哲也、高橋聡志、渡辺好夫、岡野覚、小柳義夫『流体解析〈2〉』

pp.30-36。

  • 河村哲也『流体解析の基礎』

pp.188-194。上記の本とほぼ同じ。

流体解析の基礎

流体解析の基礎

pp.67-68。FVS。『乱流の数値流体力学―モデルと計算法』に包含されるか。

pp.75-76。FVS(Van Leer)、AUSM。

数値流体力学ハンドブック

数値流体力学ハンドブック

  • 発売日: 2003/03/01
  • メディア: 単行本

pp.80-81。FVS(Steger-Warming、Van Leer)。文章のみ。

圧縮性流体解析 (数値流体力学シリーズ)

圧縮性流体解析 (数値流体力学シリーズ)

  • 発売日: 1995/05/01
  • メディア: 単行本

  • Vincent Guinot "Wave Propagation in Fluids"

pp.271-274。FVS。この本も聖書。

  • Culbert B. Laney "Computational Gasdynamics"

pp.231-236, pp.362-379。FVS (Steger-Warming, Van Leer, Zha-Bilgen)、AUSM。

Computational Gasdynamics

Computational Gasdynamics

  • C. Hirsch "Numerical Computation of Internal and External Flows Volume 2: Computational Methods for Inviscid and Viscous Flows"

pp. 415-443。FVS (Steger-Warming, Van Leer)。Van Leerの多項式の決め方が載っており有用。

  • Randall J. Leveque "Finite Volume Methods for Hyperbolic Problems"

pp.83-84, pp.338-340。FVS。

  • Chung, T. J. "Computational Fluid Dynamics"

pp.142-145。FVS。

Computational Fluid Dynamics

Computational Fluid Dynamics

  • 作者:Chung, T. J.
  • 発売日: 2010/09/27
  • メディア: ハードカバー

  • Edwige Godlewski, Pierre-Arnaud Raviart "Numerical Approximation of Hyperbolic Systems of Conservation Laws"

pp.237-245。FVS(Steger-Warming、Van Leer)。ガス方程式への適用。Van Leerの多項式の決め方が載っており有用。

p.263、pp.529-530。FVS。この本はどうもAmazonでは存在すら認知されていないようです。

  • 棚橋隆彦『CFDの基礎理論』

p.112-114。p.116-117。FVS、AUSM。この本はどうもAmazonでは存在すら認知されていないようです。