数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。noteにも書いています。https://note.mu/kumag_min

理工書を紹介します(数学、物理、数値計算などなど、漸次追加)

はじめに

今回は理工書を紹介します。

数値計算

河村哲也 著『数値計算入門』
数値解析の全体を概観する本です。ニュートン法、直接法、反復法、固有値問題、補間、数値積分、常・偏微分方程式と基礎的な内容を網羅しています。『英語で学ぶ数値解析』よりとっきやすいと思います。例が充実しており自分のコードを確認できます。アルゴリズのまとめかたがわかりやすく、実装も十分に可能です。数値解析が必要な学生に何か読ませる場合、私なら入門書としてこの本を渡します。理論に深入りしすぎずちょうどよい塩梅です。ただ河村哲也氏の著作で気をつけなければならないのは、ほぼ同じ内容の別名の著作が存在している、ということです。これはかなり複雑なのでまた今度説明しますが、ほぼコピペという箇所、ちょっとだけ違う箇所などあります。ご注意ください。これだけ理解していれば、結構なものが自作できると思います。しかし、偏微分方程式の離散化に関しては他の本を読む必要があります。

数値計算入門 (Computer Science Library 17)

数値計算入門 (Computer Science Library 17)


『英語で学ぶ数値解析』
全体像が分かる本です。これだけわかれば組み合わせて自分でコードが書けます。内容は、連立一次方程式、非線型方程式、固有値問題、補間、数値積分常微分方程式、差分法による偏微分方程式と盛りだくさんです。表紙は日本語ですが中身は英語です。しかし、簡単な英語で書かれておりおすすめです。

英語で学ぶ数値解析

英語で学ぶ数値解析


『計算力学 有限要素法の基礎』
有限要素法の本で一番読みやすい本だと思います。固体、流体ともに書いてある点が珍しいです。例が充実しており、離散化した際の行列の値が示されているので自分で離散化した結果と比べることができます。また、定常、非定常ともに載っているのもうれしいです。もっと早くこの本を読みたかったです。本当に至れり尽くせりです。あと紙がよいです。質の悪い紙を使っている本だと線を引くのすら億劫ですが、この本の紙は質がよいです。

計算力学(第2版)-有限要素法の基礎

計算力学(第2版)-有限要素法の基礎


『流れ解析のための有限要素法入門』
題名の通り有限要素法でNavier-Stokes方程式を離散化することを目的としています。最後まで読むと自分で有限要素法でNavier-Stokes方程式を解けるようになります。2部構成で第1部で離散化の基礎を、第2部でNavier-Stokes方程式をいかに扱うかを説明してくれます。第1部では、有限要素法の紹介、1次元のポワソン方程式に対する離散化、2次元のラプラス方程式に対する離散化、プログラミングの方法、面積座標、非定常問題をやります。第2部では、Navier-Stokes方程式の定式化、様々な解法(直接法、分離解法)、風上有限要素法(SUPG法)、熱流体をやります。1次元のポワソン方程式に対する離散化は、有限要素法の入門として非常に優れています。私が有限要素法のはじめて理解したのはこの本です。実際のプログラミングの方法が書かれている点も便利です。実装につなげやすいです。また、非定常問題に対する記述があるのもうれしいところです。第2部は盛りだくさんです。まさにNavier-Stokes天国です。Navier-Stokes方程式を有限要素法で解く際に重要になるのが速度と圧力に対する補間関数で、この組み合わせが悪いと上手く解けなくなります。それに関しても詳しく説明されています。各要素に対する行列の要素も明記されていてとても便利です。この本の白眉はNavier-Stokes方程式をいかに離散化するかを説明している第8章です。直接法、ペナルティ関数法、疑似圧縮性法、MAC法、SMAC法、SIMPLER法、流速圧力同次緩和法、移流拡散分離解法が載っています。こんなにたくさんNavier-Stokes方程式に対する解法が載っている本は和書では貴重です。MAC法、SMAC法、SIMPLER法の導出も整理されて私のお気に入りです。章末には数値計算例が載っており、かなり詳細な情報が書いてあります。計算例を再現するときに役に立ちます。

流れ解析のための有限要素法入門

流れ解析のための有限要素法入門

  • 作者:中山 司
  • 発売日: 2008/04/01
  • メディア: 単行本


『はじめてのCFD』
「はじめての」とありますが初心者向けの本ではなく、中級以上です。移流拡散方程式の離散化をひたすら説明してくれます。様々なスキームを統一的な視点から整理してくれるので、非常に勉強になります。時間進行、移流方程式、拡散方程式、定常・非定常移流方程式と進みます。特性曲線、システム方程式、Riemann不変量、エントロピー解、Rankine-Hugoniot条件、Riemann問題、単調性、単調性保存、衝撃波、膨張波、TVD、Osherスキーム、Roeスキームなど、双曲型方程式を扱う際に必須となる概念が説明されている貴重な和書です。類書は『流体力学数値計算法』でしょうか。ただし、部分的に読みづらいと感じる箇所があります。私は、あまり圧縮性流体の知識がないのでそう感じるのだと思います。なので、圧縮性流体力学を学んでから読むと理解が深まるのではないでしょうか。この本以上の知識は洋書をあたるしかないです。

はじめてのCFD―移流拡散方程式

はじめてのCFD―移流拡散方程式


微分方程式による計算科学入門』
常微分方程式数値計算について解説した本です。Cのプログラム例がついています。全体は4章構成で、オイラー法やルンゲクッタ法などの基礎事項、ハミルトン系に対するシンプレティック数値解法、遅れのある微分方程式の数値解法、そして確率微分方程式の数値解法となっています。シンプレティック、遅延、確率微分方程式の数値解法のいずれをとっても類書はなかなかないので重宝します。アルゴリズムだけでなく、収束性や誤差、安定性など理論的な部分がかなり丁寧に説明されています。最初の章だけでもよくまとまっており読む価値があると思います。常微分方程式数値計算を扱う方は是非読むことをおすすめします。ちなみに、偏微分方程式は出てこないので注意しましょう。

数学

『最適化法 数理ファイナンスへの確率解析入門』
ページ数は120でとても薄いですが密度の濃い本です。最適化と数理ファイナンスを概観するのにおすすめです。本書で流れを確認し、分からない箇所を他の本で補いつつ読むと効果的かもしれません。前半は最適化法で川崎英文氏の執筆、後半は数理ファイナンスへの確率解析入門で谷口説男氏執筆という、二大巨頭による本となっています。前半は非線型計画法、凸計画法、線型計画法、離散最適化法を概観します。後半は確率論の基礎、ブラウン運動マルチンゲール、確率解析、ブラックショールズ方程式を概観します。最適化法の順番は独特です。まず、最も一般的な非線型最適化を解説してから凸計画法、線型計画法と狭めていきます。これは非常におもしろい試みですね。確かにいきなり線型計画法をやると挫折しやすい気がします。数式や定理の意味がたくさん書いてありとてもよいです。参考文献もとても詳しいです。数理ファイナンスのほうはブラックショールズ方程式がゴールで関連する事柄だけ解説されています。確率空間からスタートしてかなり深く書いてありますし(これだけでわかる人がいるのだろうか…)、式変形も丁寧です。最適化法より読むのが難しいですね。


『これなら分かる最適化数学―基礎原理から計算手法まで』
最適化を勉強したいけれど何から読んだらわからない方におすすめです。著者の金谷氏はわかりやすい本を書くことで定評があり(私の中で)、最適化手法の原理をわかりやすく学ぶことができます。原理(どうしてそのやり方でよいのか)が説明されているのがとてもよいです。この本の内容を理解しておけば、他の専門書へとスムーズに移行できるでしょう。内容は以下の通りです。まず数学準備として、ベクトルや行列の微分極値ラグランジュの未定乗数法あたりを詳しく説明してくれます。最適化の数学で詰まる方はこのへんが苦手なことが多いのではないでしょうか。3章では先程学んだ知識を使って、直線探索、ニュートン法共役勾配法を説明します。4章は最小二乗法です。どのような原理に従っているか理解せずにエクセルで使っている方も多いと思います。そんな方はこの章に従って一度自らの手で最小二乗法を導出してみるとよいと思います。また、特異値分解と一般逆行列非線型最小二乗法も載っていて盛りだくさんです。5章は統計的最適化です。最尤推定EMアルゴリズムなどです。最小二乗法が最尤推定になっていることも説明されます。6章は線型計画法です。1章分しかありませんが幾何的な解釈や双対などかなり踏み込んだ説明がなされています。7章は非線型計画法です。分量の関係で非線型計画法はほんの少ししか記述がありません。他の専門書を読む必要があります。8章は動的計画法です。これも主に使い方や応用例を示すだけです。ハミルトン・ヤコビ方程式などについて学ぶには他の専門書を読む必要があります。また、注が充実しており読んでいてハッとすることが多々あります。中・上級者の方でも何らかの発見があると思います。

物理

『地形現象のモデリング
地形の共通原理(地形形成のダイナミクス)の探求を目指して、河川、砂丘、雪崩、断層、柱状節理、クレーターなどの地形現象をモデリングしシミュレーションや実験で解析します。第I部では流れによる地形現象を、第II部では破壊による地形現象を扱っています。モデルを使うことによって、時空間のスケールの大きさや時間スケールの大きく異なる複数の現象が同時進行する点を乗り越えようとしています。特に河川のモデリングでは、浅水流方程式とExner方程式を持ちいた河床波の線型安定性解析や蛇行流路の解析が紹介されています。見た目が異なる現象でも数理モデルとして書いてみると似た式になったりするのでとてもおもしろいです。


『ゼロから学ぶ熱力学』
熱力学発展の歴史を交えつつ、基礎的な事項を網羅的に学べる良い本でした。まったく何も知らない状態から、熱力学第一、第二、第三法則、エントロピー、ギブスとヘルムホルツの自由エネルギー、相変化、化学反応、一通り概観することができます。最初に読む熱力学本として優れていると思います。第5章にブラウン運動BZ反応が載っているのがおもしろいです。BZ反応はあまり解説がないですが、ブラウン運動に関してはアインシュタインの関係式を導出するなどなかなかエキサイティングな流れになっています。ただ、サイクルの扱い方はもう少し説明してほしいところですね(サイクルをうまくつなげてクラウジウスの原理やトムソンの原理をの同値性を示すあたり)。そこは、他の本を見たほうがよいかもしれません。

ゼロから学ぶ熱力学

ゼロから学ぶ熱力学


『単位が取れる熱力学ノート』
非常によく整理されたわかりやすい熱力学本です。高校物理程度の知識から一気に第一、第二法則、エントロピー、ギブスとヘルムホルツの自由エネルギーまで連れていってくれます。合間に挟まれる演習問題が良問でさらに丁寧な解答が本文中にあるのがとてもよいです。カルノーサイクルの扱いが丁寧で、トムソンの原理とクラウジウスの原理の同値性や絶対温度を定義する方法などわかりやすく説明されている点が良いです。エントロピーの導入も違和感なく、実際に手を動かしてエントロピーの変化を計算する問題がたくさんあってためになります。ギブスとヘルムホルツの自由エネルギーの物理的な意味も書いてあります。

単位が取れる熱力学ノート (KS単位が取れるシリーズ)

単位が取れる熱力学ノート (KS単位が取れるシリーズ)

  • 作者:橋元 淳一郎
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

【64冊】非平衡系に関する本のリスト

ここでは、非平衡系に関する本のリストをひたすら載せます。洋書と生物系が特に弱いので他にありましたらお知らせください。


非平衡系の物理学』

『オンサーガーの不可逆過程の熱力学』

『分子運動30講』

非平衡統計力学

『SGCライブラリ 54 「非平衡統計力学」』

非平衡系の統計力学

非平衡系のダイナミクス入門』

『基幹講座 物理学 熱力学』

『物理現象のフーリエ解析

『変分原理と物理学』

統計力学

統計力学の進歩』

『重力とエントロピー

『ズバーレフ非平衡統計熱力学 上下』

『熱力学―平衡状態と不可逆過程の熱物理学入門 上下』

非平衡系の統計力学

非平衡系の秩序と乱れ』

非平衡系の科学1 反応・拡散・対流の現象論』

非平衡系の科学2 緩和過程の統計力学

非平衡系の科学3 反応・拡散系のダイナミクス

非平衡系の科学4 分子の複雑性とカオス』

非平衡系の科学6 生体の振動反応』

非平衡相転移―メソスケールの統計物理学』

『わかりやすい非平衡熱力学』

『基礎系 物理学 統計力学II (東京大学工学教程)』

『生物物理学における非平衡の熱力学』

非平衡の熱力学―流体系における非可逆過程の現象論』

『不可逆過程の熱力学』

『不可逆過程の物理―日本統計物理学史から』

『物理的運動学 (1) 』

『物理的運動学 (2) 』

『不可逆過程の熱力学入門』


『現代熱力学―熱機関から散逸構造へ』

『存在から発展へ―物理科学における時間と多様性』

『構造・安定性・ゆらぎ―その熱力学的理論』

『混沌からの秩序』

『複雑性の探究』

『確実性の終焉―時間と量子論、二つのパラドクスの解決』

散逸構造―自己秩序形成の物理学的基礎』

プリゴジンの考えてきたこと』

『生命とは何か―複雑系生命科学へ』

『普遍生物学: 物理に宿る生命、生命の紡ぐ物理』

『統計物理学』

『現代物理学の基礎 5 統計物理学』

『物理統計学―基礎と応用』

『岩波講座 物理の世界 統計力学〈3〉相転移・臨界現象―ミクロなゆらぎとマクロの確実性』

『統計物理学 下』

『統計物理学ハンドブック―熱平衡から非平衡まで』

非平衡状態と緩和過程』

『過渡的現象の熱力学‐ 生物体の熱力学の構築に向けて ‐』

『不可逆過程の熱力学序論 』

『量子統計力学

『定理が生まれる: 天才数学者の思索と生活』

『ゆらぎのエネルギー論』

"Stochastic Energetics"

"Non-Equilibrium Statistical Mechanics"

"Non-Equilibrium Thermodynamics"

"Nonequilibrium Statistical Mechanics"

"Statistical Mechanics of Nonequilibrium Liquids"

"Stochastic Processes in Physics and Chemistry"

『生命とは何か―物理的にみた生細胞』

『不可逆過程の統計力学

信濃川補修工事竣工記念碑の題額のエスペラント語を訳しました。

信濃川補修工事竣工記念碑の題額のエスペラント語を訳しました。

"Felicaj estas tiuj kiuj vidas la volon de dio en naturo."
"Por homaro kaj patrujo."


feliĉaj:幸福な
形容詞"feliĉa"の複数形、イタリア語で"felice"

estas:である
動詞"esti"の現在形、ラテン語で"est"

tiuj:その人
関係詞"tiu"の複数形、英語で"that"?

kiuj:英語で言うところの"who"
関係詞"kiu"の複数形、ラテン語で"qui"?

"tiuj kiuj"で"those who"のような用法か

vidas:見る
動詞"vidi"の現在形、ラテン語で"video"

la:英語で言うところの"the"
定冠詞、フランス語で"la"

volon:意思
名詞"volo"の単数、対格形、英語で"volition"

de:~から、の
前置詞、フランス語で"de"

dio:神
名詞、フランス語で"dieu"

en:~において
前置詞、フランス語で"en"

naturo:自然
名詞、単数形、英語で"nature"


「自然の内に神の意を見るものは幸いである。」

この構文は『マタイによる福音書』ですね。

por:~のために
前置詞、スペイン語で"por"

homaro:人類
名詞、ラテン語で"homo"

kaj:英語で言うところの"and"
接続詞、古典ギリシャ語で"καί"

patrujo:祖国
名詞、ラテン語で"patria"


「人類と祖国のために。」

【54冊】数値計算における連立方程式の解法やアルゴリズム、数理に関する本のリスト

数値計算における連立方程式の解法やアルゴリズム、数理に関する本のリストです。