数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。Amazonアソシエイトを使用しています。

【浅水流方程式】溶質の濃度を考えた場合の浅水流方程式

【浅水流方程式】サイトマップ(ここから関連記事が探せます)
http://mathlang.hatenablog.com/entry/2018/12/18/213650

溶質の濃度を考えた場合の浅水流方程式は以下のようになります。

 \displaystyle
\begin{eqnarray} 
&\frac{\partial h}{\partial t} + \frac{\partial q}{\partial x} = 0 \\
&\frac{\partial q}{\partial t} + \frac{\partial}{\partial x} \left( \frac{q^2}{h} + \frac{1}{2}gh^2 \right) = 0 \\
&\frac{\partial (h \phi) }{\partial t} + \frac{\partial (uh \phi)}{\partial x} = 0
\end{eqnarray}

ここで  \phi はpassiveな溶質の濃度です。参考文献はLeVequeの"Finite Volume Methods for Hyperbolic Problems"のpp.283-285です。

Finite Volume Methods for Hyperbolic Problems (Cambridge Texts in Applied Mathematics)

Finite Volume Methods for Hyperbolic Problems (Cambridge Texts in Applied Mathematics)

【確率過程】第2章「確率論の概要」の 2.1「確率測度と確率空間」

はじめに

兼清泰明 著『確率微分方程式とその応用』を読んでいきます。今回は第2章「確率論の概要」の 2.1「確率測度と確率空間」を読みます。なるべく定理や命題、式の意味を書いていきたいですね。

確率微分方程式とその応用

確率微分方程式とその応用

第2章「確率論の概要」

  • 準備として確率論の基本事項の概要を述べる
  • 現代確率論には測度論が必須

2.1 確率測度と確率空間

大事なのは、標本空間における全ての部分集合を事象として取り扱わない、ということではないでしょうか。つまり、事象(取り扱う対象)はある満たすべき性質を持つものだけに限る、ということです。これが定義 2.1.1です。つまり、

  • 全体は事象である
  •  A が事象であるとき  A^c も事象である
  • 可算無限個の事象があるとき、その和集合も事象である

という性質です。最後の性質は完全加法性と呼ばれている重要なものです。この3条件を満たす集合族を  \sigma 加法族(完全加法族、 \sigma-field、 \sigma-algebra)と呼び、その要素を事象とします。集合演算を可算無限回まで許容している点が重要です。

次に、確率を定義します。確率とは、事象に値を割り当てる関数(写像)のことです。確率にも満たすべき性質があります。それが定義 2.1.2です。つまり、

  • 確率は0以上である
  • 全事象に対する確率は1である
  • 可算無限個の事象があり、それぞれに被りがないならば(互いに素)

 \displaystyle \begin{eqnarray} 
P \left( \bigcup_{n=1}^{\infty} A_n \right) = \sum_{n=1}^{\infty} P(A_n)
\end{eqnarray}

が成り立つ。つまり、全体の確率は、各々の確率の和に等しい

最後の性質は完全加法性と呼ばれている重要なものです。以上の性質を満たす関数を確率測度と呼び、この関数に対して事象(集合)を入力したときに出力される値を確率と呼びます。

このように、ぎりぎりのところまで事象と確率を拡張しておくと応用上役に立つのです。以上は必要条件だけで、どのように確率を割り当てるかはまた別の問題です。

事象のことを可測集合とも呼びます。これは読んで字の如く、「測れる集合」です。測れる集合とは前に述べたような条件を満たす集合のことです。全事象  \Omega と事象の集合  \mathscr{F} のペアを可測空間と呼びます。全事象の中に、測れる集合、すなわち事象の集合を設定したわけです。事象の集合には色々な取り方があります。それが例 2.1.4です。

可測空間に確率測度  P を組み合わせた3つ組み  (\Omega, \mathscr{F}, P) を確率空間と呼ぶ、というのが定義 2.1.6です。つまり、全事象を用意して、測れる集合、すなわち事象を決めて、それに対して確率を割り振る関数、確率測度を決めてやってはじめて確率というものが考えられるということです。

定義 2.1.7は、確率を与えない集合が存在する、ということを言っています。測度が零の集合(零集合)ということです。

ある事象が起きる確率が1であるとき、その事象はほとんど確実に(almost surely、almost certainly)起きる、と呼びます。これが定義 2.1.8で、なぜ「ほとんど確実」かというと、測度が0の集合を事象として考えていないからです。

零集合の部分集合は必ずしも事象になっていません。しかし、これらが事象であるとき、この確率空間を完備であると呼びます。完備であるかどうかは起きる確率が0の集合にしか影響しないので、実用上は完備で無くとも問題ないようです。しかし、数学的に可測空間や確率空間で様々な列の極限を考える際には、完備でないと困ります。完備でないときは完備化という手法で完備にできます。たしか、列の極限を集合に加える、という操作だったと思います。なので、確率空間ははじめから完備であると仮定してよいのです。


【確率過程】第1章「さまざまな応用分野における確率微分方程式」

兼清泰明 著『確率微分方程式とその応用』を読んでいきます。今回は第1章「さまざまな応用分野における確率微分方程式」を読みます。

確率微分方程式とその応用

確率微分方程式とその応用

第1章「さまざまな応用分野における確率微分方程式


確率微分方程式とはどのようなものか、そしてどのように応用されているか、という概要を学びました。


【確率過程】『確率微分方程式とその応用』 はじめにと目次

兼清泰明 著『確率微分方程式とその応用』を読んでいきます。今回ははじめにと目次を読みます。

確率微分方程式とその応用

確率微分方程式とその応用

はじめに

前提知識は以上と書かれているけれども、集合、位相、確率論など必要になると思うので適宜他の本も参照しつつ読んでいきます!

目次

第1章 さまざまな応用分野における確率微分方程式
第2章 確率論の概要
第3章 確率過程論の概要
第4章 確率微分方程式の概要
第5章 マルチンゲール
第6章 Lévy過程
第7章 Markov過程
第8章 確率積分と確率微分方程式
第9章 確率微分方程式モンテカルロ法
第10章 数理ファイナンスへの応用
第11章 信頼性工学への応用
第12章 確率制御問題への応用
第13章 リスク解析への応用


【確率過程】『確率微分方程式とその応用』を読もう!!!

もっと確率微分方程式の知識を深める必要が生じました!なので、兼清泰明 著『確率微分方程式とその応用』を読んでいこうと思います!一人でやると必ず途中で投げてしまうので、適宜読んだ部分をまとめて記事にしていこうと思います!皆さんも是非この機会に『確率微分方程式とその応用』を読みましょう!

確率微分方程式とその応用

確率微分方程式とその応用


【語学学習】英検1級レベルの単語帳(の3分の1)を1週間でほぼ覚える方法!

はじめに

釣りみたいなタイトルにしてしまいました、すいません。今回は、「単語帳一日一周勉強法」と呼ばれる方法を用いたら、英検1級レベルの単語帳の3分の1(未知語396語)が1週間でほぼ覚えられた、という私自身の実験結果です。

単語帳一日一周勉強法とは?

1単語1秒で、単語を見てその日本語での意味がわかるかどうかサクサク確かめてく方法です。具体的な手順としては以下のようにやります。

  1. 自分が知らない未知語に丸をつける。その際自信がない単語には念のため丸をつける。例文がある場合は構文が分かるようにしておく。
  2. 単語帳をある程度の塊に分けて(例えば300語ぐらい)、1日に1回以上回す。朝と寝る前がおすすめ。
  3. 単語帳を回す際は、丸がついている単語だけチェックする。英語を見て即座に日本語が出てくるかチェックしていく(この際は別に何個覚えているかとか数えないほうがよい)。本当に眺める程度でよい。ただ思い出そうとはすること。例文はいちいち見なくてもよい。覚えるのは見出し語だけでよいし(類義語とかは取り合えず覚えなくても良い)、1番目に載っている意味だけ覚えればok。分からなかったら即座に日本語を見る。分からなくても気にせずにどんどん進める。そのうち分かるようになる。頭の中で発音するとよいかも。もちろん声に出してもok。各々の単語に時間をかけすぎないこと。
  4. 単語帳を回す際にこれは完璧に覚えたという単語は丸を消しても良い。しかし、しつこいくらいがちょうどよいので焦って消さないこと。
  5. 時々(1週間に一回ぐらい?)どれぐらい単語を覚えているかチェックしてみる。あまり頻繁にやると効率が落ちる。なので時々チェックするぐらいが丁度よい。また、初期段階でやるとあまり覚えていなくてやる気がなくなるのでやらないこと。
  6. 周回しているとどうしても覚えられない単語が出てくる。そういった単語には特別な印をつけたり、抜き出して他のノートにまとめたり、辞書をひいたり、語源を調べたりして仲良くなること。


必要な周回回数は現在調査中ですが、10周よりは多いと思います。恐らく30周ぐらいではないかな?

結果

覚えたのは『英検1級でる順パス単』の「出る度A」、すなわち700語(全体の3分の1)です。

【音声アプリ対応】英検1級でる順パス単 (旺文社英検書)

【音声アプリ対応】英検1級でる順パス単 (旺文社英検書)

まず未知語を調べたところ、396語でした。1週間毎朝30分程度で1周ずつしました。その際とにかくわからない場合はすぐに訳を見ていました。1週間後にどれぐらい単語を覚えているか、すなわち英単語を見てすぐにその日本語訳が言えるかどうか試したところ、わからなかった単語は26語でした。つまり、1週間で396語の約93%の単語を覚えることができたのです!これはロシア語で実験したときとほぼ同じ数字です。なので、妥当な数字だと考えられます。

特筆すべきは、この方法であれば、ロシア語や英検1級単語のように、普段見慣れていないものでも覚えられる点です.

おわりに

「単語帳一日一周勉強法」と呼ばれる方法を用いて、『英検1級でる順パス単』の3分の1を1週間でほぼ覚えられました。今後は、周回を継続しつつ残りの3分の2も暗記していきます。最終的なゴールとしては、30,000語でしょう。頑張っていきます!最後に、この「単語帳一日一周勉強法」は極限まで必要な労力を削減した方法であることを皆さんに知って頂きたいです。以下の記事にその理由を書いておきました。是非ご覧ください。


なぜ単語帳一日一周勉強法が続けられるか考えました。

このブログでの初出です。