数学とか語学とか楽しいよね

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【数理モデル】線型反応移流拡散方程式とマルサスモデル(Malthusモデル)

前回1次元Fisher-KPP方程式(フィッシャーKPP方程式)を有限要素法(Galerkin法)で解く話を書いたのですが、そのときに線型反応移流拡散方程式とマルサスモデル(Malthusモデル)の関係について気がつきました。せっかくなので文章として残しておきます。

まず、1次元の線型反応移流拡散方程式は

 \displaystyle \frac{\partial u}{\partial t}+V\frac{\partial u}{\partial x}-D\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} +ru=0, \quad x \in [0, L]

のような偏微分方程式です。ここで、 u(t,x) は物質の濃度、 V は流速、 D は物質の広がり具合(拡散)を表す拡散係数、 r が反応により減少する度合いを表す係数と解釈することができます。ここで  r>0 です。後で説明しますが、偏微分方程式が一本しかないとき、 r<0 だと解が発散してしまいます。システムの場合(偏微分方程式が何本かある場合)は必ずしも正でなくてもよかったと思います。初期条件は  f(x) で与えます。 u は時間方向と空間方向ともに変化するので二変数関数  u(t,x) となっています。ある物質が移流、拡散、反応のもとどのような分布になるかを表しています。

さて、Fisher-KPP方程式は拡散方程式とLogisticモデルを組み合わせたものと考えることができるのでした。

これと同様にして、線型反応移流拡散方程式は移流拡散方程式とMalthusモデルの組み合わせたものと考えることができます。まず反応項を右辺へ移項します。

 \displaystyle \frac{\partial u}{\partial t}+V\frac{\partial u}{\partial x}-D\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} =-ru

これは移流拡散方程式

 \displaystyle \frac{\partial u}{\partial t}+V\frac{\partial u}{\partial x}-D\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} =0

とMalthusモデル

 \displaystyle \frac{du}{dt} =-ru

を組み合わせたものです。すなわち移流拡散によって物質の空間的な広がりを、Malthusモデルによって(その場所における、減少するような)物資の反応をあらわしているのです。もし  r<0 だとすると、 -r>0 となり、指数関数的に増大してしまい解が発散してしまいます。なので条件として  r>0 がついているのです。移流拡散方程式とMalthusモデルの組み合わせと考えるとすっきり理解できます。

参考

侵入・伝播と拡散方程式 (シリーズ・現象を解明する数学)

侵入・伝播と拡散方程式 (シリーズ・現象を解明する数学)

反応拡散方程式

反応拡散方程式