数学とか語学とか楽しいよね

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【クラシック】超有望ヴァイオリニスト、Chloe Chua

今回紹介するのはシンガポールの超有望ヴァイオリニスト、Chloe Chuaです。なんと12歳です。2018年のユーディ・メニューイン国際コンクールで優勝しました。とにかく動画を見て下さい。おったまげます。


ユーディ・メニューイン国際コンクールでのガラコンサート(記念演奏会)、曲目は「ヴィヴァルディの四季」より冬全楽章


ヴィエニャフスキの創作主題による華麗なる変奏曲」(Wieniawski, Variations on an Original Theme, Op. 15)


ユーディ・メニューイン国際コンクール、セミファイナル、曲目は30秒から「ベートーベンのヴァイオリンソナタ8番」より第1楽章(Beethoven, Violin Sonata No. 8 in G major, Op. 30, No. 3, 1st movement )、5分30秒から「ピアソラのタンゴの歴史」よりカフェ 1930(Piazzolla, Histoire du Tango, Café 1930)、13分45秒から「フバイのカルメンによる華麗な幻想曲」(Hubay, Carmen Fantasie Brillante)


堂々としたソロ、無伴奏で顕著にあらわれている高度なフレーズの解釈力、盤石な音程、まったく違うスタイルの曲を表現する表現力、とても12歳とは思えません。Youtubeで適当に自動再生でクラシックを流していてたまたま流れたのがChloeの演奏でした。最初はこれはかなり有望なほぼプロと言ってよいレベルの20代前半の演奏家だと思ったのですが、動画を見て12歳でここまで到達できるものなのかと愕然としました。才能と努力の両方があれどこれは難しいのではないでしょうか。普通にクラシックとして鑑賞に堪えるレベルなのです。むしろ好んで聞きたくなるほどです。今まで幾多の「神童」がいましたが、彼らは年齢の割に上手であるとか、難曲を一応弾けるといったレベルでした。しかし、Chloeは違います。彼女はプロの演奏家と比べて遜色無いと私は思います。きっと彼女は次の時代の巨匠になります。楽しみです。

何かで読みましたが、クラシックの本場であるヨーロッパではクラシックの人気は下がりつつあり人も集まらなくなっているが、その代わりアジアなどの新興国から人が参入してきているそうです。これは日本で相撲をやる人が減りモンゴルから有望な力士がやってくる構図と同じだそうです。


追記
最新の動画があがってきました。


サラサーテカルメン幻想曲 」(Sarasate, Carmen Fantasy, Op. 25)

芸に磨きがかかっています!まったく危なげなく弾きこなしていますね。高音、フラジオレット、重音が気持ちよいです。カルメン幻想曲には多くの弱く弾く箇所が出てきますが、メリハリをつけて弱い箇所を弱く弾けるのが素晴らしいです。サラサーテカルメン幻想曲を聞くとき、私はいつも重音が連続する箇所に注目して聞いています。上記の動画だと10:09からです。chloeはきちんと弾きこなしています。プロを自称する方でもここが弾けていない例がたくさんあります。音程が合っていなかったり音がつながっていたり。Youtubeで適当に調べてみてください。うんざりします。彼女の演奏はギル・シャハムの演奏を思わせる快演です!!!いずれギル・シャハムに匹敵するヴァイオリニストになるでしょう。



メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」(Mendelsohn, Violin Conserto in E minor, Op. 64)

安定感と丁寧さはヒラリーハーンを思わせます。


www.youtube.com
ミルシテインパガニーニアーナより」(Milstein, Paganiniana)

パガニーニアーナは名ヴァイオリニストであるミルシテインパガニーニの24のカプリースをもとに作曲した無伴奏の超難曲です。今回は一部だけです。是非とも全部聴きたいですね。


参考

サラサーテカルメン幻想曲 」(Sarasate, Carmen Fantasy, Op. 25)
ギル・シャハムによる演奏、疾走感が凄まじい。例の箇所は8:52より。この速さで完璧に弾いている。サラサーテカルメン幻想曲の一つの完成形であると言いたい。欲を言えばこれを超える演奏を聴いてみたい。


ミルシテインパガニーニアーナ」(Milstein, Paganiniana)
本人による演奏。何度聞いても聴き飽きない。一生聴ける。難しいパッセージなのに主旋律がきちんと聴こえる。すごい。