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【ナヴィエ・ストークス方程式】小薗英雄『ナヴィエーストークス方程式 クレイ懸賞問題のいま』抜書

はじめに

今回は小薗英雄『ナヴィエーストークス方程式 クレイ懸賞問題のいま』から抜き書きしていこうとおもいます。「抜書」の部分は下段や文中のカッコの中以外全て抜き書きになっています。ご注意ください。「アイデア」は自分の言葉で内容を書き直しています。
http://www.fluid.sci.waseda.ac.jp/crest/KozonoSeminar.pdf

抜書

弱解を構成して,その正則性を証明しようとする試みは,今のところ成功はしていない.


一般に非線形偏微分方程式が与えられたとき,その方程式に固有のスケール不変な関数空間で解を考察することの重要性が経験的に知られている.これを藤田・加藤の原理という.


これらの空間(斉次ベゾフ空間と斉次トリーベル–リゾルキン空間)は,関数空間それ自身の考察に加えて補間空間論と共に 1960 年代に盛んに研究されていたが,当初は偏微分方程式への応用はそれほど期待されていなかった.しかし,1990 年代になって非線形偏微分方程式の適切性の解明に積極的に導入され,今日その有用性は広く認識されている.


弱解は時間大域的存在を示すには有利である反面,一意性や正則性を別途証明することを余儀なくされることを見た.これに対して,強解は最初から一意正則な解を求めることを目標とする.どのような初期値に対して強解を求めることが可能か?という問いに関しては,スケール不変性が重要な鍵となる.


定理 5 (時間局所的強解の延長可能性)の証明については,垣田–柴田 [12, 第 5 章]に初学者向けの詳しい解説がある.


強解の時間局所存在定理が得られる初期値の関数空間をどこまで広くとれるか?といった問題意識は 1990 年代から台頭した非線形シュレディンガー方程式や KdV 方程式の研究の影響といってよかろう.実際,ブルガン,タオ,高岡等はフーリエ制限法や I-method に代表される調和解析学の手法を駆使して,非線形分散型方程式の初期値問題の局所適切性を最適な関数空間でつぎつぎと精力的に証明している.


日本では藤田宏先生を始祖としてこれまで世界を牽引する形で研究が進展したと評価してよいように思う.21 世紀になってすでに 10 年が過ぎようとしているが,若手数学者の台頭も著しい.しかし残念ながら,第 2 節で述べらていることと,ミレニアム問題には未だ隔絶の感がある.


確かに,偏微分方程式の見地からは,まずはフーリエ変換などが自由に使えるR^3において適切性を研究することが常道であろう.一方,流体力学の最大の目的は「揚力最大・抵抗最少」である.従って,工学などの現場の要求に応えるためには,境界のある領域の内部または外部でナヴィエーストークス方程式を考察することを余儀なくされる.たとえば,多重連結領域における非斉次境界値条件下の定常ナヴィエーストークス方程式の可解性は未解決問題である.領域の位相幾何的な条件と方程式の可解性の問題は,非線形偏微分方程式の主要な研究テーマであるが,この方面においても課題が山積していると思われる.

イデア

・ルレイの弱解(定理1)

・セリンのクラス(式(2.3))

・NS方程式はスケール不変である(スケール変換則を満たす)。

・斉次ベゾフ空間と斉次トリーベル・リゾルキン空間

リトルウッド–ペイリー分解

・ハーディ空間と平均振動有界の関数空間

・斉次ベゾフ空間と斉次トリーベル–リゾルキン空間は,従来のルベーグ空間やソボレフ空間に第 3 の指数を導入してよ細かく見たもの。

・弱解の正則性として,これまでのところ最も一般的な主張が定理3

・現時点で延長可能性についてもっとも一般的な定理が定理6

・現時点での,局所適切性に関するもっとも一般的な結果が定理7

・セクション2を読むのがしんどい