数学とか語学とか楽しいよね

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【ドイツ語】『ドイツ語の小説を読む〈1〉ベル:きまぐれな客たち』【14冊目】

はじめに

佐藤清昭 著『ドイツ語の小説を読む〈1〉ベル:きまぐれな客たち』を読んだので、その紹介をしようと思います。ドイツ語で書かれた短編小説を精読することによって、読むためのドイツ語を身につけるための本です。

ドイツ語の小説を読む〈1〉ベル:きまぐれな客たち

ドイツ語の小説を読む〈1〉ベル:きまぐれな客たち

どんな本?

初級文法を学んだあとに、実際にドイツ語で書かれた短編小説を精読することによって、読むためのドイツ語を身につけるための本です。「ドイツ語の初級文法を一通り終え、「さて、次のステップは?」」と考えている人向けの本です。精読する短編小説は、Heinrich Böll(ハインリッヒ・ベル)の『きまぐれな客たち』("Unberechenbare Gäste")です。主人公の家に次から次へと珍客(動物たち)が訪れるというユーモラスな作品です。小説自体の長さは8ページ分で、それをじっくり精読していきます。ドイツ語学者である関口存男による、関口文法の影響を受けているのが本書の特徴です。この本自体のページ数は144ページでコンパクトです。

構成は?

小説全体を4部に分けて、さらに各部を約10課に分割しています。各課は見開き1ページで完結しており、読みやすいです。まず、小説の本文があります。10行満たないぐらいで、長すぎなくてよいです。その後丁寧な文法・構文・語彙の説明があります。ここを読めば独学でも十分に文章の構造を理解できます。そして、最後に日本語訳があります。私の大好きな古き良き構成です。また、ところどことに文法コラムが挿入されます。後でも述べるように、例文選びにセンスがあり、言語学的な説明も豊富で非常に読み甲斐があります。

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良い点

  • 文法を使って実際のドイツ語をどうやって読むかが懇切丁寧に解説される

やはり理論だけわかっても読めないものです。このように実地で丁寧に鍛えてくれる本は貴重です。

  • 豊富な例文を用いて文法の解説をしてくれる

例文選びにセンスがあり、言語学的な説明も豊富です。ドイツ語に対して、外面(文法)と内面(文脈)からせまるアプローチが面白いです。このへんが関口存男の影響の一部かもしれません。

  • 話自体が面白い

ベルの文章はユーモラスで読んでいて楽しくなります。また、構文が複雑すぎないのもよいです。

  • あまり長くないため息切れせずに読み切ることができる

どんな本でもやはり読み切らないと効果は出ません。

  • 文脈の中で単語・熟語を覚えることができる

悪い点

  • 144ページと短いためすぐに読み終わってしまい人によっては物足りないかも

これを補うために下記のように姉妹編があります。

おわりに

非常に読んでいて爽やかで軽やかな本でした。ドイツ語で短編小説を読み終えたというのは自身に繋がります。次は姉妹編の、佐藤清昭 著『ドイツ語の小説を読む〈2〉ベル:ある若き王様の思い出』を読んでいこうと思います。