数学とか語学とか楽しいよね

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【英語】"Sapiens: A Brief History of Humankind"『サピエンス全史』【9冊目】

どんな本か?

Yuval Noah Harari 著 "Sapiens: A Brief History of Humankind" を読み終わりました。日本語の題は『サピエンス全史』です。ホリエモンも絶賛していました。この本は、人類はどうして発展することができたのか、そして今後人類はどうなっていくのか、を歴史上の例をふんだんに用いながら解説した名著です。歴史にとどまらず、あらゆる分野の知識を縦横無尽に使いこなしており、Jared Diamond の "Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies" を読んだ時のような知的興奮を覚えました。

Sapiens: A Brief History of Humankind

Sapiens: A Brief History of Humankind

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies

Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies

要点

3つの革命によりホモ・サピエンスが発展してきたことが解説されます。3つの革命とは、「認知革命」、「農業革命」、「科学革命」です。認知革命により、ホモ・サピエンスは虚構を信じることができるようになり、互いに協力することができるようになりました。その例が、国家、法人、通貨、宗教などです。どれも実際には存在していないものです。農業革命により、生産に余剰が生じ、その余剰を充てることにより、専門的な職業が誕生しました。また、人口が増加しました。科学革命により、ホモ・サピエンスは自らの力を増大させることができることに気付きました。進歩と成長により資本主義が生まれます。科学、資本主義、帝国の相互作用によりホモ・サピエンスは発展し、その結果として現在の我々の世界があります。そして、今後ホモ・サピエンスは、この力(遺伝子工学)を使ってホモ・サピエンスホモ・サピエンスでない新たな人、superhuman(超人)を生み出していくことが示唆され、この本は終わります。

英文の難易度

原著はヘブライ語とのことですが、英語版も著者が書いているそうです。著者はヘブライ大学の教授で歴史学者です。もちろん校閲は入っているでしょうが、ノン・ネイティブなのにこんなに流暢な英文を書けるとは驚きです。英文の構文は素直で読みやすいです。ただ、単語のレベルは非常に高いです。現在私の語彙力は20,000前後あるはずですが、それでも1ページあたり3語ほど未知語が出てきます。しかし、逆に言えば単語の勉強にもなるということです。内容が面白いことは言うまでもありません。どんな単語が出てくるかについては、今後別の記事でまとめる予定です。

おわりに

Yuval Noah Harari 著 "Sapiens: A Brief History of Humankind" を読みました。今は Jared Diamond "Upheaval: How Nations Cope with Crisis and Change" を読んでいます。日本語訳はまだないのですが『激変』とすればよいでしょうか。この本は、フィンランド、チリ、日本、ドイツ、オーストラリア、インドネシアアメリカの7つの国を取り上げ、それぞれの国がどのように危機的な状況を乗り越えたかが分析されます。今後の世界を生きていくうえで非常に有益な内容です。どうも、「選択的に変化すること」がキーワードですね。こちらも読み終えたらまとめていきます。

Upheaval: How Nations Cope with Crisis and Change

Upheaval: How Nations Cope with Crisis and Change