【語学学習】どのレベルまで外国語を勉強すればよいか?-『外国語上達法』から
読む・書く・話す・聞く、と四拍子揃うまである外国語を勉強するには非常に時間がかかります。恐らく10年単位でかかるのではないでしょうか。人生は有限なので、いくつもの外国語をそのレベルまで引き上げるのは無理だし無駄です。そこで、どのレベルまで外国語を勉強すればよいか?という問題が出てきます。
この問いに対して、非常に印象的な示唆を与えるのが千野栄一著『外国語上達法』のチェコ人の技師のエピソードです。彼には日本語で書かれた化学の論文を訳せるだけの語学力が必要でした。つまり発音はまったく不要で読むことができればよい、ということです。そして見事に1年3ヵ月後には論文が無理なく訳せるようになったということです。ちなみに彼は同様の考えで英・独・仏・露といった言語を習得済みであったそうです。
- 作者: 千野栄一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/20
- メディア: 新書
- 購入: 32人 クリック: 345回
- この商品を含むブログ (83件) を見る
当時の私にとってこのエピソードは衝撃的でした。というのも当時の私は外国語は四拍子揃ってできなければならない、という根拠のない固定観念があったからです。
どのレベルまで外国語を勉強すればよいか?という問題は完全に個人の問題です。一人一人が考えなければなりません。私の場合、ドイツ語については「読む」だけにしようと考え、学習を続けています。ドイツ語を学ぶ目標は、「ゲーテのファウストやヘッセの作品を読むこと」なので他の三技能にはまったく投資していません。その浮いた分で、他にも読める言語を増やしていきたいです。文学作品を読むのが目標なので、様々な形容詞や古風な構文もしっかり勉強するように心がけています。
みなさんももう一度、何故自分がその言語を勉強するか考えてみてください。そうすれば自然とどのレベルまで勉強すればよいのかわかると思います。そうなれば何をどのように勉強すればよいか、ということが明らかになってくると思います。