数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。Amazonアソシエイトを使用しています。

【有限要素法】有限要素法で局所座標の積分公式を証明する際に用いる定積分の公式

今回は、有限要素法で局所座標の積分公式を証明する際に用いる、定積分の公式


 \displaystyle \int_0^a x^m (a-x)^n dx = \frac{m! n!}{(m+n+1)!} a^{m+n+1}

を示します。簡単そうに見えますが、計算するのには一手間かかります。


まず、 I(m,n) を以下の式


 \displaystyle I(m,n)=\int_0^a x^m (a-x)^n dx

で定義します。漸化式にして求めます。部分積分を一回して

 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

I(m,n) &=& \int_0^a \left( \frac{x^{m+1}}{m+1} \right)' (a-x)^n dx \\
          &=& \left[ \frac{x^{m+1}}{m+1} (a-x)^n \right]^a_0 - \int_0^a  \frac{x^{m+1}}{m+1} \cdot -n(a-x)^{n-1} dx \\
          &=& 0 + \frac{n}{m+1} \int_0^a x^{m+1} (a-x)^{n-1} dx \\
          &=& \frac{n}{m+1} I(m+1,n-1)

\end{eqnarray}

を得ます。同じように  I(m+1,n-1) を部分積分してやると

 
\displaystyle

I(m+1,n-1) = \frac{n-1}{m+2} I(m+2,n-2)

となるから、これを最初の式に代入して

 
\displaystyle

I(m,n) = \frac{n(n-1)}{(m+1)(m+2)} I(m+2,n-2)

を得ます。あとはこの操作を繰り返して

 
\displaystyle

I(m,n) = \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} I(m+n,0)

となります。定義に戻って考えると

 
\displaystyle

I(m+n,0) = \int_0^a x^{m+n} dx =\frac{a^{m+n+1}}{m+n+1}

だから、結局

 
\displaystyle
\begin{eqnarray} 

I(m,n) &=& \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} I(m+n,0) \\
          &=& \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} \frac{a^{m+n+1}}{m+n+1} \\
          &=& \frac{m! n!}{(m+n+1)!} a^{m+n+1}

\end{eqnarray}

となり、求めたい値が出てきます。

特に  a=1 の場合には


 
\displaystyle
\begin{eqnarray} 

\int_0^a x^m (a-x)^n dx = \frac{m! n!}{(m+n+1)!} 

\end{eqnarray}

となります。


今後はこの導出した式を使って、有限要素法における、局所座標を用いた一次元の場合の積分公式と二次元の場合(面積座標)の積分公式を示していきます。

1次元有限要素法における面積座標(局所座標)の積分公式はこちらです。

2次元有限要素法における面積座標(局所座標)の積分公式はこちらです。