数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。Amazonアソシエイトを使用しています。

【最適化】ラグランジュの未定乗数法とは何だろう?

Lagrangeの未定乗数法といわれる方法について、その使い方をまず説明します。よく経済学や最適化の分野で登場する重要な手法ですが、天下り的な感じがして理解しづらいです。


これは「等式制約条件付き極値問題」を「無制約な極値問題」へと変換する方法であると言えます。「等式制約条件付き極値問題」とは要する、に何らかの式が成り立つような条件のもとで、ある関数の最大値ないし最小値を探す問題です。この問題は制約がついているので解くには工夫が必要です。一方「無制約な極値問題」とはある関数の最大値ないし最小値を探す問題です。この問題は制約が無いので簡単です。ラグランジュの未定乗数法を使うと問題が簡単になるのです。


ではラグランジュの未定乗数法の使い方をまず例題を通して学びましょう。以下の問題を考えます(ありがちですが)。


 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

{\rm max} \;\;  f(x,y) &=& x^2 + 3y^2 \\
{\rm subject \: to}  \;\;  g(x,y) &=& 3x + y +1=0

\end{eqnarray}


ここで  \begin{eqnarray} {\rm max} \end{eqnarray} は「最大化しますよ」ということを表しています。一方  \begin{eqnarray} {\rm subject \: to} \end{eqnarray} は「この制約条件を守ってね」ということを表しています。 f(x,y) が最大化すべき関数で、 g(x,y)=0 が等式の制約条件です。気取って書いているだけです。等式の制約条件  g(x,y)=0 を満たし、 f(x,y) を最大化するような  (x^*,y^*)(最適解)を求めよう、というのがこの問題です。


さてラグランジュの未定乗数法ではまずラグランジュ関数を


 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

L(x,y,\lambda) &=& f(x,y) + \lambda g(x,y) \\
                       &=& x^2 + 3y^2 +\lambda (3x + y +1)

\end{eqnarray}


と定義します。ここで  \lambdaラグランジュ乗数と呼ばれる新しい変数です。なんとラグランジュの未定乗数法ではわざわざ変数を増やすのです!天下り的な感じがしますね(私もしばらくそう思っていました)。これについては次の記事で解説しようと思うので、今回は使い方に集中してください。


最適解  (x^*,y^*)ラグランジュ関数を用いて


 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

\frac{\partial L}{\partial x} &=& 2x^* +3\lambda = 0 \\
\frac{\partial L}{\partial y} &=& 6y^* +\lambda = 0 \\
\frac{\partial L}{\partial \lambda} &=& 3x^* + y^* + 1= 0 

\end{eqnarray}


という連立方程式の解で与えられます。これは簡単に解けて


 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

x^* = -\frac{9}{28}, \; y^* = -\frac{1}{28}, \; \lambda = \frac{3}{14}

\end{eqnarray}


となります。多分合っていると思います。これが最適解です。このとき


 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

f(x^*,y^*) = \left( -\frac{9}{28} \right)^2 +  3 \left( -\frac{1}{28} \right)^2 = \frac{3}{28}

\end{eqnarray}


が最大値となります。


以上がラグランジュの未定乗数法の使い方です。まずはどう使うか習得してください。この方法で何故最適解が求まるのか考えるのはそれからです。理解は後からついてきます。これは次の記事で解説します。お楽しみに。

【単語帳】"undulation"

今回は英語の単語、"undulation"、「うねり、波動」です。


"Maxwell proposed that light is an undulation in the same medium that is the cause of electric and magnetic phenomena."(Maxwell(マクスウェル)は光は電磁気現象を引き起こすのと同じ媒質におけるうねりである、と提唱しました。)


というMaxwell(マクスウェル)に関する記事に出てきました。

語源はラテン語の”unda"(波)です。フランス語では"onde"(波、波動)ですね。似ていて楽しいです。


文章の出典
https://en.m.wikipedia.org/wiki/James_Clerk_Maxwell

語源の出典
https://www.etymonline.com/word/undulation

【読書リンク】『金色夜叉』の英語版

尾崎紅葉著、『金色夜叉』の英語版リンクです。『金色夜叉』は全文文語体で書かれており、尾崎紅葉の流麗な文章が楽しめます。ストーリーとしては支離滅裂なところもありますが、多少でこぼこしていたほうがよいのです。


英語版(The golden demon)
The gold demon : Ozaki, Koyo, 1868-1903 : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

日本語原著(金色夜叉
尾崎紅葉 金色夜叉

参考
mathlang.hatenablog.com

【単語帳】"amanuensis"

今回は"amanuensis"「書記、秘書」という意味の英語の単語です。


"Its communication by Castelli to Galileo in 1641 led to Torricelli traveling to Florence, where he met Galileo, and acted as his amanuensis during the three remaining months of his life."(一部省略)

(1641年のCastelliからGalileoガリレオ)に対する手紙によって、Torricelli(トリチェリ)はFlorenceへと旅立ちました。TorricelliはそこでGalileoと会い、彼の人生の残りの三か月の間、秘書を勤めました。)


という、Evangelista Torricelli(トリチェリ)に関する記事中に出てきました。GalileoとかTorriceliとかVolterra(ヴォルテラ)とかイタリアはなかなかおもしろい人物が揃っています。イタリア語もちゃんとやりたいですね。

語源は、ラテン語の"ab"(from, off)、"manus"(「手」)、"ensis"(「~に属する」)です。"ensis"は英語だと"ese"です。"Japanese"、"Chinese"ですね。それぞれ"Japan"に属する、"China"に属する、ということでしょうか。



文章の出典
Evangelista Torricelli - Wikipedia

語源の出典
amanuensis - Wiktionary

【単語帳】"triumvirate"

今回は"triumvirate"「3つ組、3 人組、三頭政治という意味の英語の単語です。


"Galileo referred to Torricelli, Magiotti, and Nardi affectionately as his "triumvirate" in Rome."

Galileoガリレオ)はTorricelli(トリチェリ)、MagiottiとNardiを愛情を込めて、ローマにおける彼の3人組と呼んでいました。)


という、Evangelista Torricelli(トリチェリ)に関する記事中に出てきました。Torricelliはタンクの底に穴を開けたときに、水が出てくる速さを表す数式「Torricelliの定理」で有名なイタリアの物理学者、数学者です。

語源は、ラテン語の"trium virum"から来ているようです。これは"tres viri"(ラテン語で「3人の男達」)の複数、属格形です。"tres"がラテン語で「3」、"viri"が"vir"(ラテン語で「男」)の複数形です。語源がわかると忘れません。


文章の出典
Evangelista Torricelli - Wikipedia

語源の出典

【読書リンク】『八十日間世界一周』のフランス語原著、英語版、ドイツ語版

Jules Verne(ジュール・ヴェルヌ)著、"Le Tour du monde en quatre-vingts joursi"(八十日間世界一周)のフランス語原著、英語版、ドイツ語版のリンクです。


フランス語原著(Le Tour du monde en quatre-vingts joursi)
Le Tour du monde en quatre-vingts jours/Texte entier - Wikisource

英語版(Around the World in Eighty Days)
https://www.gutenberg.org/files/103/103-h/103-h.htm

ドイツ語版(Reise um die Erde in 80 Tagen)

【単語帳】"scion"

今回は"scion"「若枝、子孫」という意味の英語の単語です。


"Gibbs was not an advertiser for personal renown nor a propagandist for science; he was a scholar, scion of an old scholarly family, living before the days when research had become résearch ... Gibbs was not a freak, he had no striking ways, he was a kindly dignified gentleman."

(Gibbsは個人的な名声を吹聴したり科学を宣伝したりすることはありませんでした。彼は学者であり、古い学者の家系の子孫であり、研究(research)がもう一度調べなおすこと(résearch)になる前の時代を生きていました。Gibbsは奇人ではなく、目立った行動はせず、親切な品位のある紳士でした。)


という、Josiah Willard Gibbs(ギブス)に関する記事中に出てきました。実際に文章を読んでいると、まだまだ知らない単語が出てきて自分の不勉強を悟ります。


文章の出典
Josiah Willard Gibbs - Wikipedia

語源の出典
なし