数学とか語学とか楽しいよね

フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、オランダ語、英語、スペイン語、ラテン語とか数学とか数値計算(有限要素法、有限体積法、差分法、格子ボルツマン法、数理最適化、C++コード付き)とか勉強したことをまとめます。右のカテゴリーから興味のある記事を探してください。最近はクラシックの名演も紹介しています。Amazonアソシエイトを使用しています。

【読書リンク】『八十日間世界一周』のフランス語原著、英語版、ドイツ語版

Jules Verne(ジュール・ヴェルヌ)著、"Le Tour du monde en quatre-vingts joursi"(八十日間世界一周)のフランス語原著、英語版、ドイツ語版のリンクです。


フランス語原著(Le Tour du monde en quatre-vingts joursi)
Le Tour du monde en quatre-vingts jours/Texte entier - Wikisource

英語版(Around the World in Eighty Days)
https://www.gutenberg.org/files/103/103-h/103-h.htm

ドイツ語版(Reise um die Erde in 80 Tagen)

【単語帳】"scion"

今回は"scion"「若枝、子孫」という意味の英語の単語です。


"Gibbs was not an advertiser for personal renown nor a propagandist for science; he was a scholar, scion of an old scholarly family, living before the days when research had become résearch ... Gibbs was not a freak, he had no striking ways, he was a kindly dignified gentleman."

(Gibbsは個人的な名声を吹聴したり科学を宣伝したりすることはありませんでした。彼は学者であり、古い学者の家系の子孫であり、研究(research)がもう一度調べなおすこと(résearch)になる前の時代を生きていました。Gibbsは奇人ではなく、目立った行動はせず、親切な品位のある紳士でした。)


という、Josiah Willard Gibbs(ギブス)に関する記事中に出てきました。実際に文章を読んでいると、まだまだ知らない単語が出てきて自分の不勉強を悟ります。


文章の出典
Josiah Willard Gibbs - Wikipedia

語源の出典
なし

【有限要素法】有限要素法で局所座標の積分公式を証明する際に用いる定積分の公式

今回は、有限要素法で局所座標の積分公式を証明する際に用いる、定積分の公式


 \displaystyle \int_0^a x^m (a-x)^n dx = \frac{m! n!}{(m+n+1)!} a^{m+n+1}

を示します。簡単そうに見えますが、計算するのには一手間かかります。


まず、 I(m,n) を以下の式


 \displaystyle I(m,n)=\int_0^a x^m (a-x)^n dx

で定義します。漸化式にして求めます。部分積分を一回して

 
\displaystyle 
\begin{eqnarray} 

I(m,n) &=& \int_0^a \left( \frac{x^{m+1}}{m+1} \right)' (a-x)^n dx \\
          &=& \left[ \frac{x^{m+1}}{m+1} (a-x)^n \right]^a_0 - \int_0^a  \frac{x^{m+1}}{m+1} \cdot -n(a-x)^{n-1} dx \\
          &=& 0 + \frac{n}{m+1} \int_0^a x^{m+1} (a-x)^{n-1} dx \\
          &=& \frac{n}{m+1} I(m+1,n-1)

\end{eqnarray}

を得ます。同じように  I(m+1,n-1) を部分積分してやると

 
\displaystyle

I(m+1,n-1) = \frac{n-1}{m+2} I(m+2,n-2)

となるから、これを最初の式に代入して

 
\displaystyle

I(m,n) = \frac{n(n-1)}{(m+1)(m+2)} I(m+2,n-2)

を得ます。あとはこの操作を繰り返して

 
\displaystyle

I(m,n) = \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} I(m+n,0)

となります。定義に戻って考えると

 
\displaystyle

I(m+n,0) = \int_0^a x^{m+n} dx =\frac{a^{m+n+1}}{m+n+1}

だから、結局

 
\displaystyle
\begin{eqnarray} 

I(m,n) &=& \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} I(m+n,0) \\
          &=& \frac{n(n-1) \cdots 1}{(m+1)(m+2) \cdots (m+n)} \frac{a^{m+n+1}}{m+n+1} \\
          &=& \frac{m! n!}{(m+n+1)!} a^{m+n+1}

\end{eqnarray}

となり、求めたい値が出てきます。

特に  a=1 の場合には


 
\displaystyle
\begin{eqnarray} 

\int_0^a x^m (a-x)^n dx = \frac{m! n!}{(m+n+1)!} 

\end{eqnarray}

となります。


今後はこの導出した式を使って、有限要素法における、局所座標を用いた一次元の場合の積分公式と二次元の場合(面積座標)の積分公式を示していきます。

1次元有限要素法における面積座標(局所座標)の積分公式はこちらです。

2次元有限要素法における面積座標(局所座標)の積分公式はこちらです。

【単語帳】"obituary"

今回は"obituary"「死亡記事、死亡者略歴」という意味の英語の単語です。


"Beyond the technical writings concerning his research, he published only two other pieces: a brief obituary for Rudolf Clausius, one of the founders of the mathematical theory of thermodynamics, and a longer biographical memoir of his mentor at Yale, H. A. Newton."

(研究に関する技術的な著作以外に、彼(Gibbs)は他に二つのものしか書きませんでした。それは、熱力学の数学理論を創った一人であるRudolf Clausiusの短い死亡者略歴と、Yale大学での彼の恩師H. A. Newtonについてのかなり長い伝記的回想録です。)


という、Josiah Willard Gibbs(ギブス)に関する記事中に出てきました。Gibbsの為人は学問を追究したさっぱりとした人物だったようです。かっこいいです。

語源は、ラテン語の"obeō"(会う、向かっていく、死ぬ)から来ているようです。"obeō"は"ob"(ラテン語で「~に向かって」(towards))と"eō"(ラテン語で「行く」)から構成されています。


文章の出典
Josiah Willard Gibbs - Wikipedia

語源の出典
obituary - Wiktionary
obeo - Wiktionary

【単語帳】"sojourn"

今回は"sojourn"「滞在する、滞在」という意味の英語の単語です。


"Except for his customary summer vacations in the Adirondacks and later at the White Mountains, his sojourn in Europe in 1866–69 was almost the only time that Gibbs spent outside New Haven."

(慣例となっていたAdirondacksでの夏休みと後年におけるWhite Mountainsでの夏休みを除いて、GibbsがNew Havenの外で過ごしたのは、ほぼ1866年から1869年にかけてのヨーロッパ滞在だけでした。)


という、Josiah Willard Gibbs(ギブス)に関する記事中に出てきました。Gibbsの自由エネルギーで有名なGibbsです。最近科学者の伝記を読むのがマイブームなんです。

語源は、フランス語の"séjour"(滞在)、"séjourner"(滞在する)から来ているようです。


文章の出典
Josiah Willard Gibbs - Wikipedia

語源の出典
sojourn - ウィクショナリー日本語版

【読書リンク】「日本漢文の世界」

今回は日本人の書いた漢文「日本漢文」を紹介、解説しているサイト「日本漢文の世界」のリンクです。このようなサイトはなかなか無いです。

前回ラテン語の話で出てきましたが、ルネサンス以降のラテン語著作はたくさんあるのに十分に研究されていないそうです。同じことが日本漢文についても言えるのではないでしょうか?江戸時代から明治時代にかけて、ほとんどの優れた著作は漢文、特に日本漢文で書かれています。そしてラテン語と同様にあまり活発に研究されているようには見えません。漢文を勉強して、是非ともこの優れた著作を研究、堪能しようではありませんか!この辺で歯止めをかけないと我々の古文、漢文を読む力はどんどん下がっていき、最終的に専門家にしかアクセスできないようになってしまいます。それは寂しい。ここで我々がこの流れを止めましょう。

というわけで漢文の勉強もぼちぼちしています。

【ドイツ語読本】"Latein als Wissenschaftssprache der Neuzeit"(新時代の学問の言語としてのラテン語)

"Latein als Wissenschaftssprache der Neuzeit"

Aus der Zeit vom Beginn der Renaissance im 14. Jahrhundert bis zur Gegenwart sind erheblich mehr lateinische Schriften überliefert als aus Antike und Mittelalter zusammen. Dennoch sind viele Texte noch weitgehend unerforscht - eine Tatsache, der die 1971 gegründete International Association for Neo-Latin Studies (IANLS) abhelfen möchte.

Bis weit in die Neuzeit war Latein, was heute Englisch ist: die Sprache der Wissenschaft schlechthin - ob in Philosophie, Theologie, Rechtsprechung, Medizin oder den Naturwissenschaften.

語句

erheblich:相当な、かなりの dennoch:それにもかかわらず weitgehend:ほぼ完全に abhelfen:取り除く、是正する schlechthin:そのものずばり、完全に 

日本語訳

14世紀のルネサンスのはじまりから現代までに、古代と中世を一緒にしたよりもたくさんのラテン語の著作が伝えられています。それにもかかわらず、たくさんの文献がほぼ完全に研究されていません。これこそが、1971年に創設された"International Association for Neo-Latin Studies (IANLS)"が是正したいと考えていることです。

かなり最近まで、哲学であれ、神学であれ、法学であれ、医学であれ、自然科学であれ、ラテン語はまさに学問の言語でした。今日では英語が学問の言語です。

引用元
https://www.uni-bonn.de/die-universitaet/informationsquellen/presseinformationen/2003/261

参考